追記:赤旗政治記者@akahataseiji の10月1日 - 22:04のツイート
【速報】原子力規制庁は記者会見で、「しんぶん赤旗」の実績を勘案し、原子力規制委員会の記者会見に参加させると表明! 第1報に赤旗編集局内に拍手と歓声が響いた。(J)
あんまりうるさくてしょうがないから参加させてやる、みたいな・・・(10/2)
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多忙の極みで出遅れたけれど、あまりに酷いのでメモ。
「特定の主義主張 ご遠慮いただく」原子力規制委が取材規制(しんぶん赤旗:2012年9月26日)
原子力規制委員会が毎週1回開く委員会終了後の記者会見について、同委員会の実務を担当する原子力規制庁の広報担当者は「特定の主義主張を持つ機関の機関紙はご遠慮いただく」などとして、「しんぶん赤旗」を排除する方針を25日、明らかにしました。さらにフリーランスの記者についても「どういった雑誌に、どういった記事を書いているかを見て、特定の主義主張を持って書かれている方はご遠慮いただいています」と、憲法が禁止する検閲まがいの対応をしていることも明言しました。原子力規制委員会の田中俊一委員長は19日の第1回委員会で、「地に落ちた原子力安全行政に対する信頼を回復する」ため「透明性を確保する」と述べ、「報道機関への発表を積極的に行うことで、委員会としてのメッセージを分かりやすく伝える」とする方針も決めていました。委員会で決めた「報道の体制について」では「報道機関を既存官庁よりも広く捉え、報道を事業として行う団体や個人を対象にする」とまで明記していました。これまで、内閣府原子力安全委員会後の委員長らの記者会見で、こうした対応はされていませんでした。
原子力規制委、「赤旗」記者の会見出席認めず(朝日新聞デジタル:2012年9月26日22時16分)
今月発足した原子力規制委員会が、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」記者の記者会見への出席を認めない方針を決めていたことがわかった。26日の田中俊一委員長の会見に赤旗記者は出席できなかった。赤旗は同日、規制委に方針撤回を求める抗議文を渡した。事務局の原子力規制庁は、朝日新聞の取材に「政党機関紙は一般の報道機関とは異なる。出席をご遠慮いただいた」と説明している。規制委と規制庁は19日の発足に合わせ、「透明性の確保」を運営方針とする一方、会見に参加できる報道機関を、一般紙や放送局などの記者、こうした媒体に記事を提供するフリー記者などに限るという内規を定めていた。
(以下、略)
赤旗記者の会見排除 規制委は直ちに改めるべきだ(しんぶん赤旗 主張:2012年9月29日)
19日に発足したばかりの原子力規制委員会が記者会見から「しんぶん赤旗」の記者を排除した問題は、度重なる抗議にもかかわらずいまだに改められず、マスメディアやインターネットなどでも大きな問題になっています。ことは取材・報道の自由とともに、原子力規制委の基本姿勢にも関わる問題です。絶対あいまいにすませるわけにはいきません。安全に公開性は不可欠もともと規制委など公的な機関が公的な場を使って開く記者会見が、新聞、放送など企業所属の記者はもちろん、企業に属さないフリーランスの記者や政党・団体の機関紙の記者など、報道を目的とするものに広く開かれるのは当然のことです。政党機関紙だからと排除されるいわれはなく、戦前からの歴史を持ち、現に多くの読者に読まれている「しんぶん赤旗」を報道機関扱いしないのは、まったく現実を見ない暴論であり、侮辱そのものです。とりわけ、今回の赤旗記者の排除で重大なのは、原子力規制委が東京電力福島原発などの重大事故を契機に、これまで一体だった原子力の「推進」と「規制」を分離し、「国民の生命、健康及び財産の保護」などをうたって設置されたことです。規制委員会設置法はその目的や任務を踏まえ、第25条で、「国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない」と定めています。都合の悪い情報は国民に隠し、重大な事故を引き起こした教訓に照らし、情報の公開は当然のことです。
(中略)
報道“規制”委なのか「しんぶん赤旗」の追及に、規制委の説明は二転三転しています。最初は「特定の主義主張を持つ方は遠慮してもらう」としていましたが、それこそ言論弾圧そのものです。規制委の田中俊一委員長は「独立性」を口にしましたが、委員会の独立性と、記者会見に参加する記者の選別は関係ありません。ついにはいうに事欠いて、スペースがないと言い訳する始末です。もし規制委が赤旗記者の排除をあくまで改めないなら、それこそ規制委は「原発なくせ」の主張を敵視する、報道“規制”委なのかとの批判を免れなくなります。
「赤旗」を閉め出す根拠は、「委員会発足の時点で速やかに決めておくべき事項」と題された資料にまとめられている原子力規制委員会の内部規約だという(17ページ)。要するに、記者会見等に参加を求める報道機関の範囲が新聞協会会員など名指しで限定的に定められているのである。「スペースがない」というのは、共産党の抗議を受けて出てきたことであるが、これまで会見場が一杯になったことはないという。
共産党は、これまではそのような排除を受けたことはなかったと書いているが、共産党が取材できていたのは、会見後の「突撃」取材や「ぶら下がり」取材といった非公式なものに限られていたとの情報もある(例えば下記)。
(ニコニコチャンネル:2012-09-28 17:00:00配信)
このことの真偽など実はどうでも良くて、問題は、商業紙(営利企業)や「電気新聞」はOKなのに、国会に議席を持つ公党の機関紙を行政機関の記者会見から排除するという、およそ民主主義のイロハを理解しないその感覚にある。
この出来事を通してまたもや実感するのは、日本のジャーナリズムの底知れぬ堕落である。ほとんどの一般商業誌紙は事実の一旦を伝えるだけで、まともに抗議の意志を示したのは「東京新聞」くらいではないか。地方紙のほとんどは報道さえしていない。フリーでも例えば江川紹子氏は、「自由新報も公明新聞も来れば入れるってことでいいんぢゃにゃい?」とtweetするだけでおしまい。
タイトルにある「本性をあらわにする原子力規制委員会」とは、要するに、原子力を推進しようとする者達の本性は、人権感覚や民主主義感覚の欠如と一体のものとしてあるという意味である。
江川紹子氏が原子力推進派でないことくらいは知っているつもりであるが、この件についての反応が鈍いのも、福島の放射能汚染への対応についての議論で管理者然とした主張を繰り返してきたことと無関係ではないだろうと、妙に納得される。
それにしても、この件についてのtweet で「赤旗」の排除を批判するのに、「自分は共産党支持者ではないが・・・」というのが、まるで共産党の特定の主張に賛同する際に不可欠な枕詞でもあるかのように多用されるのも興味深い社会現象である。私のこの記事やこの記事のように、その枕詞抜きで共産党の主張に肩入れしようものなら、党派性に根ざしたねじ曲がった主張だとの奇妙な批判がわき起こるのは周知のことではあるのだが・・・
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