明日7月4日に参議院選挙が公示されるので、思うところを書いておきたい。選挙というと、かつて(2009年11月)このブログに次の記事を書いた頃を思い出す。
ちょっとした苦い思い出だが、水面下では、2007年の東京都知事選挙をめぐって、元宮城県知事の浅野史郎氏を推す市民グループが、票の分散を避けて石原三選を阻止するために共産党は立候補を取りさげるべきだという主張をしていて、この点をめぐっての対立があり、私としてそうした不可解な「論」に対する反発もあった。不可解な「論」というより、選挙への出馬において現下の世論の支持を何より優先する発想は、民主主義の自殺行為にほかならない。全ての言説はおおかれすくなかれ政治的な意味を持ち、全ての政治的な言説は、世論の趨勢を変えることをこそ目的としてなされる。このことは、ごく常識的なことではなかったか。
当時、「票の分散」を批判していた者達は、先の東京都議会選挙で共産党が第三党になったことを受けて、今後は、共産党以外の弱小党派に立候補の取り下げを進言したりするのであろうか。きっとそうではないだろう。共産党に対する強いアレルギーのようなものが見え隠れする。
私自身も、共産党に対するいろいろな疑念はある。なによりこの党には、反核運動の分裂を招いた前科と、原発推進に荷担した前科がある。だから、それまでの選挙では共産党にしか入れたことがなかったのに、1980年代に「緑の党」系列の複数の政党が結成された時に、そのどれかに一度だけ期待して投票したことがある。しかし、それらの党派は離合集散を繰り返して、糸の切れた凧のようになってしまった。
「緑の党」が掲げる政策が実現されるような世の中になることは、革命的な出来事である筈だ。しかし、それらの党に集う人々に、革命を起こそうとの気概を見出すことはできなかった。だから最近「みどりのナントカ」という政党が結成されても、またかと思うだけである。
私は大学教員だから、当然のこととして、各政党の大学政策、科学・技術政策がどうなっているかが気になる。そして、かつての自民党政権がおこなった国立大学の法人化や、民主党政権が追認してきた、基盤研究費を減らして競争的資金に回すような政策は間違っていると考えている。では、どの党の政策が良いかと調べると、共産党の掲げる政策が一番優れていると考えている。というより、他の政党のこの分野についての政策は貧困過ぎて、比較にもならない。
もちろん、それだけで投票先を判断する訳ではないが、自分が良く知る分野について、各政党がどのような提言を行っているか調べ、比較することは、投票先を決めるにあたって必要なことではあろう。
次に気になるのは、「日本維新の会」がどれくらいの支持を集めるかという点である。この点については、「きまぐれな日々」のkojitakenさんによる次のブログ記事に賛意を表明しておきたい。
6月7日に拙ブログにて、橋下徹氏を批判する記事をあげたが、その後、6月23日の沖縄の慰霊の日の式典に押しかけた橋本氏は、浦添市での講演会で「(当時内務省は)特殊慰安施設協会を作って沖縄にも置いた。沖縄県民の女性がその多くの女性や子供たちを守るために、まあある意味防波堤みたいな形になってそこで食い止めてくれる。(略)それを米軍が利用していたことも事実。」と語った。これは二重、三重に犯罪的な妄言である。
なごなぐ雑記 沖縄にも内務省はRAAを作ったと、橋下は歴史を創造する。
村野瀬玲奈の秘書課広報室 橋下徹、沖縄での「特殊慰安施設協会」発言
もはや橋下氏の語る言葉は全てが支離滅裂であることからすると、この人と「維新」は、やがてマンガ的な仕方で自滅するだろうと思うのだが、願わくばその日が早く訪れますように。
ところで、「維新」の参院比例区から立候補予定のアントニオ猪木氏であるが、YouTubeにアップされている佐高信氏の講演でとんでもないことが暴露されている。
薪流会20周年記念 講演会 佐高 信氏(8分15秒あたりから)
20年程前の青森県知事選挙で、原発反対派、一次凍結派、推進派の候補が争ったが、一次凍結派が150万円でアントニオ猪木氏を応援演説に頼んだ。ところが、電事連がバックにいる推進派は、もっと報酬をはずむからこちらの応援演説を頼むということになった。アントニオ猪木は、その誘いを聞いて、あわてて150万円を返して推進派の応援にまわった。さて推進派はいくら払ったか。なんと一億円だという。法律のことは良く知らないが、これは公選法違反にならないのだろうか。いずれにしても酷い話だ。